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妻たちの二・二六事件 - (中公文庫)
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昭和56年15刷
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澤地 久枝 (著)
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二・二六事件で“至誠"に殉じた熱血の青年将校たち。遺された妻たちは事件後、どのような人生を歩んでいったのか。困難な取材をねばり強く重ね、文字通り足で歩いて検証した、もう一つの二・二六事件。衝撃と感動を呼ぶ、ノンフィクションの金字塔。
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目次
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一九七一年夏
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雪の別れ
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男たちの退場
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燃えつきたひと
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花嫁人形 暗き陰翳
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余燼の中で
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秘められた喪章 一
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秘められた喪章 二
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母としての枷
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西田はつ 聴き書き
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生けるものの紡ぎ車
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辛酸に堪えられよ
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過去への旅 現在への旅
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あとがき
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解説 草柳大蔵
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内容(「BOOK」データベースより)
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二・二六事件で“至誠”に殉じた熱血の青年将校たち。遺された妻たちは事件後、どのような人生を歩んでいったのか。困難な取材をねばり強く重ね、文字通り足で歩いて検証した、もう一つの二・二六事件。衝撃と感動を呼ぶ、ノンフィクションの金字塔。
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
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澤地/久枝
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昭和5年(1930)、東京生まれ。4歳のとき一家で満州へ移住、吉林市で敗戦を迎える。昭和24年、中央公論社に入社、かたわら早稲田大学第二文学部国文科を卒業。昭和38年、同社を退社し、五味川純平氏の『戦争と人間』資料助手を経て独立。著書に『火はわが胸中にあり』(日本ノンフィクション賞受賞)。『記録ミッドウェー海戦』他(菊池寛賞受賞)
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アマゾンの書評より
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5つ星のうち5.0 貴重な本
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この内容は、もう書けない貴重な本です。
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5つ星のうち4.0 二・二六事件の語られざる裏舞台
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1972年刊行。1936年(昭和11年)に起きたクーデター「二・二六事件」を主導し、処刑された青年将校の妻のその後を、事件から30年後に聞き取った記録。
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あまりに短かった新婚生活、家族よりも大義を優先し、処刑の直前に慌ただしく家族に宛てた遺書を残していった夫。
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戦死ではなく、反逆者として処刑された夫の妻の烙印を押され、それでも生きなければならなかった未亡人の苦しみは、この本がなければ歴史の表には出てこなかったことでしょう。
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5つ星のうち5.0 泣きながら読みました。
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昭和47年、筆者が42歳の時に上梓された処女作です。
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2.26事件の33回忌が過ぎた頃、未だ関係者の多くが存命であった時に、事件によって刑死した青年たち(青年将校だけではなく、民間人も含まれます)の妻であった女性にインタビューして作られたノンフィクションですが、彼女たちは現在は全て鬼籍に入っておられるはずで、正しくかけがえのない記録です。
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一晩で読破しましたが、中でも、香田清貞大尉の妻であった富美子さんを描いた「母としての枷」が涙なくして読めませんでした。事件後に実家と嫁ぎ先が激しく争う事態となり、当時の民法の規定により、富美子さんは香田家から籍を抜いて実家に戻ることが許されず、それなのに香田家からは出入り禁止・経済的支援もなしという理不尽な境遇におかれます。しかも戦後まもなく実家の両親も死去してしまいました。
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しかし、香田大尉の弟で、2.26事件の後に同じく陸軍士官学校に入って陸軍将校となり、戦争を生き抜いて生還した香田忠勝氏とその妻だけが、富美子さんを真に案じ、陰に陽に助けてくれました。
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戦後に失業者となった陸軍将校が生き抜くのは容易なことではなく、復員した香田忠勝氏は悪戦苦闘を重ね、戦後10年あまりで、ようやく洋服卸商として生計の道を確立しました。その間も、香田大尉の遺児を引き取って自分の子供同様に育て、きちんと教育して社会に送り出しました。2.26事件の遥か後に香田家に嫁いできて、同様に戦後の荒波にもまれた忠勝氏の妻も夫に協力し、富美子さんに優しくしてくれました。
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2人の子供が成人した後、富美子さんは癌に倒れて亡くなりました。カトリックに帰依していた富美子さんを送るミサで、忠勝氏が泣きながら語ったという富美子さんの最後の日々の様子は、涙なくして読むことができません。
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非業に斃れた兄の代わりとして、戦争と戦後を生き抜いて責任を全うした香田忠勝氏に、同じ男として限りない敬意を表します。その意味で、この章が一番心に響いたのかもしれません。
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2.26事件に関心のある全ての方に読んで頂きたいです。
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5つ星のうち5.0 唐突に置き去りにされた「叛徒」の妻(恋人)たちのせつない物語
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2021年2月25日に日本でレビュー済み
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本書を読むと「叛徒」とされた男たちは、家庭では良き夫良き父親だったことが判る。血に飢えた猟奇的殺人者でも先天的サイコキラーでもなかった。私情を捨て公憤に衝き動かされて“男子の本懐”を遂げた満足の中に倒れた。
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一方、「己を知る者の為に死」んだ男たちから結婚生活を断ち切られ、唐突に置き去りにされた妻や恋人など女たちが辿るその後は、備える暇(いとま)も心の余裕もなく襲い来た颶風(ぐふう)そのものだった。
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「己を説(よろこ)ぶ者の為に容(かたち)づくる」筈の女たちには、それぞれの想いで生きてゆく長い歳月だけが残された。辛くせつない物語を紡ぎながらの余生には“正解”がなかった…。著者が実聴した紆余曲折の歩みに涙を誘われる。
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武士(もののふ)の心境を遺書に託した決起将校たちは、純粋にして単純すぎた。幾人かは、最愛の女性がその人生を狂わされ七転八倒する様を知ったなら、とても成仏できずに、冥界と現世の間(はざま)を彷徨うに違いない。個人生活でも実に罪作りな男たちであった。
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昭和不況、列強が強いた軍備縮小、不作での飢饉といった社会不安と、財閥と癒着し私利を貪る政治家や官僚が蔓延(はびこ)る不公平な閉塞感。昭和十一年(1936年)の帝都東京を震撼させた二・二六事件は、これらを打破せんとの乾坤一擲の企てだったのだろう。
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しかし首謀者らが叛乱罪で銃殺刑に処された主要因は、昭和天皇の断固鎮圧、厳罰処断の意志にあったとされる。昭和維新を目指し大元帥に良かれと思って元老重臣の斬奸を実行した青年将校たちは、その精神的支柱たる天皇から自分たちが「逆賊」と決めつけられようとは、思いもしなかったろう。
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親子以上に年齢の離れた丸腰の老人たちを機関砲の餌食とした行為に一片の後悔も躊躇も覚えなかったのか。職業軍人でありながら一国の政治に容喙(ようかい)する行為に、本当に疑義も疚(やま)しさも感じなかったのか。
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政治を糾(ただ)すためなら、自ら軍を辞して政界に身を投じ、議会において堂々と真正面から不正と闘って欲しかった。憲政の常道に外れ、人命を奪った行動の責任は、余りにも重かった。
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5つ星のうち5.0 昭和天皇さんが何と言おうと私は彼らの民を想う気持ちを信じる!
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「兎を捕らえた後、用の済んだ犬は煮て喰われる」の諺通り、天皇の側近(兎)を殺した後、磯部ら(犬)は、東條英樹等に喰われてしまった、というのがニ・ニ六事件の全体構造であることを初めて理解した。しかし、磯部は、若さの故とは言うものの、①天皇の真意を読み間違えたこと ②軍規に背きながら、謀略的な天皇告示を信じことという点で致命的なミスを犯したいる。甘いとしか言いようがない。
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しかし、一方、丹生誠忠のような剽軽な遺書を書く人物も仲間にいたことは面白い
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野中大尉の自決後、香田清貞大尉が先任となる。この人物は身勝手な男で、遺された妻子は家族間の争いで苦労する。純粋とはいうもののこうした連中に一国の運命が左右されるとは恐ろしいことだ思う。
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民間人の水上源一の未亡人初子さんの道南での生き方は逞しく極限まで考え抜いた智恵を感じる「自分の力で生活を築いて、死者をも生者をも尊重するぎりぎりの知恵が現在の生活の形を選ばせている。」(266頁)と。
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結論としては、決起した若者達の真心は、永い眼で観るならば、昭和天皇さんが何と言おうと日本の精神的遺産として残る、と私は信じる。
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5つ星のうち5.0 教科書にあらわれない魂の叫びが読み取れる
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1936年2月26日、陸軍青年将校が起したクーデター未遂事件を、35年の時を経て振り返るドキュメンタリー。
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学校の歴史の教科書ではチラリとした記載されいていないが、語呂が良いからか記憶に残っている。しかしながら、事件の発端や顛末については、もやっとしているんじゃないだろうか。
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本書は、残された妻らのインタビューから、年若い軍人たちがどのような思いで事に及んだを、ひとりひとりの肖像として浮彫にするものだ。大儀ある(はずの)革命が反乱という烙印を押され、失意のどん底に堕ちながら死を賜った彼ら。
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苦悶、懊悩、悔恨。圧倒的な迫力で、事件の真相をえぐりだす。教科書にあらわれない魂の叫びが読み取れる。
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ほとんどの妻たちは、何があったのか判らぬまま、未亡人となってしまったという。事件の解釈のひとつとして、記憶に刻まれる著作である。
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これが著者のデビュー作とは。感嘆!
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密約―外務省機密漏洩事件 (中公文庫)
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昭和53年初版
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澤地 久枝 (著)
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沖縄返還交渉で、アメリカが支払うはずの四百万ドルを日本が肩代わりするとした裏取引―。時の内閣の命取りともなる「密約」の存在は国会でも大問題となるが、やがて、その証拠をつかんだ新聞記者と、それをもたらした外務省女性事務官との男女問題へと、巧妙に焦点がずらされていく。政府は何を隠蔽し、国民は何を追究しきれなかったのか。現在に続く沖縄問題の原点の記録。
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アマゾンの書評より
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5つ星のうち4.0 繰り返し読める本です。
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沖縄の米軍基地問題を考える時、折に触れ何度も読み返す本です。前回購入した本を子供が持って行ってしまったので、新しく購入しました。特定秘密保護法に関連しての学習に役立ちました。
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5つ星のうち4.0 なんで今頃この本を読んだか
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先日、NHKのドキュメントに読売新聞社主の渡邉恒雄が出た、出演というより彼の宣伝。マスコミのドン・政界のフィクサーであったという自己顕示番組だった。NHKもこういう提灯番組を作るんだね。その最後に、短時間であるが唐突に、かの西山元毎日新聞記者が出てきた。
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西山元記者と渡邉氏の関係は何? という疑問でこの本を読んだ。 答えは、渡邉恒雄が当時の世情に抗して西山元記者に好意的記事を書いたことと思われ、恩義ある渡邉氏の要望だったのか。
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で、私の関心はむしろ蓮見元事務官に向かった。
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50年近く前の事件簿をみて、強く感じたのは40代女性の強い孤独感だった。
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家にあっては、詮索家でモラハラの夫が待ち構えていた、プライドが高く経済能力の低い男性ほどモラハラとなるのが通例。
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学歴・門閥社会の職場にあっては、大変な努力で事務官となったが、友人も居ないようだし、軽口をたたく相手もいない役所での日々。公務員としての自己抑制も強かったのでしょう。
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ちょっとこの抑制がとれたのが、直ぐに縁の切れる相手と分かっていた本書でいうX氏、そして強引な西山記者、共に後に尾を引かない自分が物品・情報を与えるという自己主導の負い目のない関係。孤独の中のアバンチュールというには貧しい息抜き。
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判決後は、自己抑制が大幅に取れて、ワイドショーや週刊誌などへの顔出し・告白、とてもとても理解できます。
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東電OL殺人事件の被害者は39歳、40歳前後は女性にとって難しい年齢なんでしょうね。
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5つ星のうち5.0 記者と省事務官って男女の関係?
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澤地久枝さんは、容赦なく西山、蓮見の心の襞まで入り込もうとしている。生日に何故関係したのかとの女としての疑問?毎日新聞との示談金、渡辺恒雄記者の西山記者の負い目に乗じて一方的に被害者無垢な女を演じたとの指摘、蓮見に誘われ親しくしていたXとの会談など。
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私は、蓮見は一度は情報源の秘匿を守るために新聞紙上への掲載を止めた西山が何故横路議員に電信文の写しを渡したことに、女として嫌気が差しただけなのではと思う。嫌気が差した女がどう動くのかと言う視点が澤地にはない。
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西山は何故電信文の写しを渡したのかも不明。
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澤地久枝さんのフリーとしての第1作目であり、記念作であることは間違いない。
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そういえば、名人と女棋士との関係に大騒動したこともあったね!
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5つ星のうち5.0 今一度真の問題とは何かを考え直しておく
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推理小説ではないので、結果から言えば密約はあった、西山新聞記者と蓮見外務事務官は執行猶予付きの有罪になった。
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ただし、一審地裁では、西山無罪、蓮見有罪だった。ここまでの方が本書のメインのような気もするし、最高裁の法の結果ではなく著者の道徳眼からすれば、両者無罪(当裁判で政府有罪にするわけにはいかないから断罪)だったことは明白である。
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もっと遠く離れて云えば、密約でさえこれだということで、現在の普天間返還・移設のような局限的に公然としたことですら沖縄の意志、国民の知る権利は無視されるということであろう。過去に密約があったということが今や明らか、公文書で証明されてさえ政府秘密とした不当性、国会答弁での虚偽性は弾劾されておらず、寧ろ当事件を責任追及はおろかあるまじき機密漏洩の事例とのみする。こうした勘がくるった行き違いの齟齬が公然としたものにまでなっても平気なままの今日にあって、敢えて異議を唱えていた本書の価値は貴重であろう。
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この後、自民党の政治腐敗は頂点に徹して今日までがあるわけだが、本件で追及できていたかできていなかったかにかかわらずここに政治の自浄能力は圧倒的になかったのであり、時間をかけて立ち腐れて消滅するまで自壊するのを待つしかない、とでも考えているとすれば考えているかのような状況で、今一度真の問題は何かを考え直させてくれよう。
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5つ星のうち4.0 止まらない。
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やや、難しく、硬い文章ながら、内容的には興味が引き付けられ、読むのを止められない本です。浮気の前歴については、実証力が弱いと思われますが、面白い事象です。いろいろと深く考えさせられます。
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5つ星のうち5.0 運命の人を読んでからの方がいいと思います
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全部実名で出ている。でも記者、外務省についてよりも澤地氏の蓮見氏への直感の部分が印象に残ったかなと。この本を読むと彼女はもちろん、その夫に対しても違和感を感じるようになってしまいました。
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