●デビュー以来第三作までは、全て2枚組でした。第四作は、あの有名なLP四枚組の、"At Carnegie Hall"なので、計算すると、三年の間に、LPレコード十枚分のレコーディングをしていたことになります。72年リリースの、このChicago Vが、最初の一枚ものLPです。名曲揃いで、このアルバムが一番気に入っているという方も多いです。実際、このアルバムは、初の全米No.1になりました。『ダイアログ(Part 1 & Part 2)』もシングルヒットしました。音楽の路線は、以前から続いていた通りのシカゴらしいサウンドですが、一曲一曲が短くなり、ギターのリフも、当時の最先端だった、ファンキーなカッティングが増えています。
●ちなみに、『サタデイ・イン・ザ・パーク』は、レコーディング中の独立記念日、1971年7月4日、ロバート・ラムが、セントラルパークを散歩して、様々なストリートパフォーマンスに興奮してホテルに帰ってきた時に、木管担当のウォルター・パラゼイダーが、"Man, it's time to put music to this!'"(絶対に曲にしようぜ!)と提案して生まれた曲です。"singing Italian songs"に続く部分のイタリア語は、無意味な単語の羅列ではなく、五十年代の有名な曲、"Eh Cumpari!"の一節です。特に73年のシカゴのアリー・クラウン・シアターでのライブは映像が残っていますが、ロバート・ラムが、はっきりと"Eh Cumpari, ci vo sunari,"と歌っていることがわかります。実際にセントラルパークをお休みの日に歩くと、様々なパフォーマンスが繰り広げられていて、シンガーやダンサーやジャグラーがたくさんいます。まさに、Funny daysであり、毎日が独立記念日です。あまり言われていませんが、実は、この曲は、自由を求めるポリシーのあふれる歌詞です。また、あまり言われていませんが、このアルバムは、各曲が一つの大きなストーリーになっている、トータルアルバムでもあります。
●シカゴの野球チーム、シカゴ・カブズ Chicago Cubsのホームグラウンドのリグレー・フィールドと、デンバーのコロラド・ロッキーズのホームグラウンドの、クアーズ・フィールドと、ヤンキー・スタジアムで、ニューヨークヤンキーズが土曜日の午後にに試合をする前に流れていました。